モルダウな焼酎と孤独な幸せ

 ついさっきまでいた友達はいない。死んだ猫はもどってこない。過去は甘い記憶の源泉。どこかに連れて行きたい。あの人をぼくのそばにいつまでもいてほしい。悲しい過去もあるだろう。楽しい未来もあるだろう。それをぼくらは語り合えるはず。語りあおう。ときにはぼくたちは離れなくてはならない。世界がそれを許さないから。時間に縛られている。金に縛られている。この世界で・・・・。ぼくたちは金を愛だと勘違いして、本物の愛は失われ・・・。愛のない世界に生きるつらさと厳しさと空しさを噛み締めながら、人々は平々凡々我存ぜぬの気概で日常生活を送るのだ。冷たい空気がながれる。それさえも、涼しいのだ。熱くなった怒りを静めるには・・・。踊りたくなるとき、一人優雅にチャイナ服をきて、ある人は舞踏会にいって舞うのだ。取り合った手は、美しくしなびやかで薬指にはダイヤの指輪。サファイアだったらよかったのに。美しく舞う。ひとりの少女が、真っ白な顔が白衣のように純白で血で染められる体を華麗に操る。わたしはわたしの操り人形。音楽は流れる。少女に合わせて。セロ弾きのゴージュも微笑む。マリアも天井絵画のなかで微笑んでらっしゃる。世界の至高の時ここに極まり。世界は水道のじゃ口をいまひねった。流れていく、排水溝のなかに。なにもかもお金、玉の輿、女、人間、労働者。耳が響く、耳が痛い、すっごい豪雨だ雷鳴が轟いている。目がヤラレそうだ。白い光に照らされた醜悪な人間性、もはやヘドロのようにさまようこの世界社会を。金をもとめて、偽りの愛と性欲の果てに、行く先は下水道である。下水道から流れたヘドロは勢いよく都会の地下を流れ幼稚園の地下を流れ協会の地下を流れ、行く先は生命の海。わたしたちの故郷、わたしたちの生命の最後にかえる揺りかご、誰のものでもない、偉大な太平洋に向かって・・・。東から太陽が昇った。