field glasses 遠くのものを近くへ、近くのものは盲目に

 field glasses とは遠くのものを近くでみたかのような像を網膜に映し出す道具のことである。

 近くでもみたかのようだといっても遠近感はなく、平坦である。それは、私のfield glasses がそうであるからなのかもしれない。

 では、field glasses は日常の生活においていかなるときに使われ得るだろうか。

 例えば、動物園へ行ったときである。檻の中に一匹のライオンがいる。奥で昼寝をしていて動かないライオンの毛並みは、なんの変哲もない茶色の毛に写り、その場を通り過ぎるだろう。しかし、field glassesを使うことでライオンの毛をまじまじと見ることができるのだ。実際にライオンの毛並みをみようとするには危険が伴い、頭一つ分ほど失いかねないほどの覚悟がいるが、その危険な作業を省略して、安全な檻の外からライオンの毛並みを驚くほどの近さでまじまじと見ることができるのだ。

 人間は実際に目にしたものを夢の中でみるらしい。夢は多少の編集がなされて、それとは気付かずしかし、ありありと感じられるものだ。

 もしすると、あなたの夢の中に、草原で寝ているライオンの腹を枕代わりに昼寝をする、そんな”夢”のような夢をみることができるかもしれない。

 あなたも一度field glasses片手に動物園へと出かけてみてはいかがだろうか。