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私の感情は女によって作られたわけである

 つまりは、男にはふたりいて、女の感情を植えつけられることを好むものと好まないものだ。気まぐれな感情を植え付けられた男は気苦労するだろう。そして、最後は筋を通すことになるのだ。土台男の心を一時期は支配しようともずっとというわけにはいかない。支配するものの弱さや気まぐれもあれば、支配される男の側は荷の重さに悲鳴をあげることだろうから。
 君は一体この抽象的な問答をどれだけ続ければ気がすむのだ。何を生み出すというのか、この具体に還元できない話を。
 何ものも生み出しません。生み出す罪を知っているからです。生み出せば何か起こるというものです。神が許したものしかないのならば、この世界はどれの度に気が楽だったでしょう。また、どれだけの人間が生むことをしているでしょう。多くは居場所を求めてさまよい歩くホームレスです。立つ場所を愛せない人たちです。それは私も同じです。言葉の世界は私の住んでいるところの謎をいつまでも呈示させます。この肉体も謎に包まれているのです。問いかければ謎は浮かび上がってきます。しかし、思い上がりたいのが人間です。誰も自分の身近にあるものが何か自分の知らない不気味であることを認めたくないしそのありさまをみようとはしたくないものです。いったい、不気味というのは言葉を持たないからこそ不気味であるのです。ですから、人間同士の間で不気味であることはおおよそ無口に原因があるのです。私は無口の効用を知っています。無口であれば馬鹿でもかしこく思われるのであるし、相手が賛同者であれば綺麗な絵を無口のキャンパスの上に描いてもくれるのです。しかし、その絵を見るや否や嫌悪感に満たされるものです。ですから、もしあなたが誰かを好きになったとして、その上、その人を思うがあまりあなたを全部見せびらかしてみれば相手は辟易するし、あなた自身後悔するでしょう。あれは、私ではないのだというでしょう。私はあんなではないと。
 いったい君は何が言いたいのだね。君の言うことはさっぱりワケがわからない。いきなり恋愛の話に展開しやがって、恋愛話の前になんの話をしていたのか僕はすっかり忘れてしまったよ。忘却は創造の源泉であろうか?私には忘却は攻撃的動員にしかならないような気がするのだ。忘れた人間は同じことを繰り返すだろう。その同じことの繰り返しの中で自己は膠着する。膠着した自己はもはや冒険を忌み、進取の気勢を吐露というだろう。私は実に、この心のあり方を良くも悪くもただどのようなことからものようになるのか、その流れを追ってみたいのだ。意味が膠着することは人間にとって悪なのである。定義は暴力でしかない。自己同一性もまた暴力である。それは誰から誰への暴力なのか。社会からの暴力である。社会から人間への。言葉の上に自己が成り立つのは、つまり、その責任を背負う人間というのか正常だと、社会は判断するからなのだ。有名人の変態的行為を凡人は好む。凡人の変人を凡人を嫌う。それだけの話なのだ。社会が許す限りにおいて、自由になれるのだ。しかし!それは、戦いなしに自由を得ようとする方法である。戦えば、社会からの承認などいらないのだ。そんなものは、自由を行使しながらにして得られるものであるべきだからだ。発端において不自由な人間が、ある試練を経て自由になったとして、それは不自由であることから解放されたにすぎない。自由の中に、不自由を見つけ出すだろう。そして、安心して退屈するのだろう。私にはそう思えてしょうがない。
 今度は自由についての施策をは閉めたんだね。君は自由をもっと賛美しなくちゃならないよ。そうでなくっちゃ、批判も反論もできないからね。内的直感からくる自由について思う存分書き、またそれへの疑問を存分に書かなければならないよ。それが書きながらにして考えることだ。自由は社会から与えられるというが、それでは自由はどのような形を持って社会から与えられるのか。もうこの時点で、先は見えている。しかし、君はかかなきなきゃね。彼女を犯すことが許されている。彼女の同意のもと。彼女は社会である。君は何も社会というのか。常識か?人間関係か?常識的人間関係というものか。それにしても、僕は疲れたよ。全ての出来事を定義することはできないからね。ただ思いつきで想像することのほかに何か言葉を持つことが人間にできるだろうか。人間の思想を建築物になぞらえるだけの統合的思索はどうやら僕には向いていないことだけはよくわかるのだ。体型というものがそうだ。法律はルールである。だから、体系を練ることができた。法律を私の倫理に据え置いてはならないのだ。そればかりは事実である。責任が取れぬしまして、よく考えればわかることだが、人間の直感を法律は捉えられないことだって十分にあるからだ。
 ほらはじまった、実りのない話が。どうやら僕のおしゃべりにみな飽きたみたいだね。皆と同じ立場に立つことをぼくはしない。
 どうだっていいさ好きにすればよい。君はただ死ぬだけだ。