分裂

 時に私という人間がベランダから外へ飛び立ち彼の地へ向かおうとしてもとめる人もいないし、私自身それを受け入れ模するだろうと考えれば何も障壁がないのである。あるはずなのに、それがみえなくなった私は生きている感覚が失われて最終的には非業なしをとげるに違いないと信じている自分に科学が差し伸べてくれる手は分裂という言葉だった。おかしくなった人々がいる一方で、おかしくなることに自らの可能性と自らの脱出を目指したという。彼女はとても優しい人であった。彼女の人生の設計図は彼女が生きる為の一つのメガネでもあった。そして、色眼鏡の何者でもなかった。彼女に襲いかかってくる日常の出来事はいつものように処理されて、悪いことは悪いことでいいことはいいことであった。単純素朴な彼女の心は冒険することを欲しないけれども、日常は異様なまでに冒険に満ちていて彼女の心はその異様な光景に目をつむる事に限界を感じているのかもしれない。彼女が発症するであろうヒステリーを僕はあたたかく見つめて彼女に手を差し伸べるも、彼女はその手をナイフで持って切り落とすであろう。下たちの中に私は生命をみて、彼女は月経をみて人間の生について考えることも想像をめぐらすこともなく、今その光景の中に人間の生が実現された誕生の瞬間をみるのだ。