アウトプット

相手の視点に立ってみよう

音がする。

 河原を歩いていた。手には猫じゃらし。こうべを垂れる猫じゃらしを持って少年は夕日に向かって一歩一歩歩き出す。どうしても夕日は見えない。どうしても、いまの表現は幼稚だ。感情表現は見たくもない。jpopは死んでいない。多すぎる。言葉が多すぎる。メッセージが多すぎる。削らなくちゃならない。それなのに、多すぎるメッセージに飽食気味。過食症なのだ。言葉は脂ぎって頭は鈍くなり言葉に鈍感になった。どうすればこんな事態が引き起こされるというのだ。どうでもいいけれども。僕にとってはどうでもいいのだ。おそらく他の人にとってもどうでもいいのだ。アリンコを殺しながら犬猫の募金を集めてる上野駅前の人間たちだってどうでもいいのだ。価値観の押し付け。侵入、とでも言っておこう。監視カメラが街じゅうに設置されて昼も夜も監視されて、人の目の休むところはない。眠れない不眠者には東京は住みやすい街だ。どこかで誰かが起きている。そういったわけで、今日も西洋美術館の前は大盛況だ。世界文化遺産に登録されるのが決まってから人が増えた。流行とはこういうことだ。それまで土日でさえそう人は多くなかったのだけれども。修学旅行生も来ていた。俺は颯爽と自転車で人の塊をすり抜けていく。びっくりさせたかいおばちゃん。おじちゃん、よろけちゃぶつかっちゃうよ。おっと、若いカップルごめんよ、男の方を通ってくね、やあ外人さんニーハオ、ハロー、サイチェンまた会いましょう。