脱臼

 僕の意識は飛んで蝶になり荒野を急降下。散らばるアスファルトの破片に電波を乗せて電気を通そうと一生懸命になる。わけのわからない文章を作るなら私にまかせよと怪文書を書いてみれば集まるは訴訟の文面ばかりなり。荒野に集う精神障害者と呼ばれる普通の人間たちをひどい病気にかかって神経が断ち切られ医者の診断を大人感覚の拠り所にしている労働者たちは一流に決め込んだ服で人間を騙しあい見せかけの公衆トイレに落ちているようなエロ本にかかれた台本を舐めるように、今日も香水ふりかけて電車の広告を一瞥するなりポケットから取り出した小さな画面に目をやり考えることもせず死んでいる毎日に感謝している。赤い電車に飛び込み勝てば死ねるという元気さも、私には東京もニューヨークもタイさえも同室に見えてくるこの社会の危うい近接感を、ロマンチックのかけらもなくなり、すべてが現実に起こりうるようなと思えるほどの私の想像力のなさに感嘆しこの想像力の欠如こそ私に身体の安定性に寄与していると感じているのだが、新しい者を想像するには不安定な身が必要なのだと言わざるおえないくらい社会は新しい者への嫌悪感と不必要性を感じているに違いない確信を抱く、危ない精神状況を解決などする気もなく時は流れて、日々老いさらばえる私にできるのは心のゆとりをもって平常を死んでいくのみであるという観念にそういない。私という存在を深く掘り下げて身はしてもそれを外に出さなければ役立たず。役に立つには第三者が必要で私の嫌いな他者の侵入を殺さずに生かしておく手段を身につけようと必死になっている。私はどうしても私が愛おしくてたまらないのに他者は私を分離させる。