アウトプット

相手の視点に立ってみよう

カフェイン中毒者

 彼はいつもコーヒーを飲んでいた。歯が黄色く、息も臭かったが、目は輝いていた。どこの街灯よりも明るかったので、歩道を歩いている役に立った。青空のもとでは、茶色い瞳が青い空を眺めていた。僕はいつもカフェイン男と歩いた。たまに、ホモだと思われたかもしれないが、僕が好意を寄せているのは確かだった。でも、誰にもからかわれることはなかった。人づてに聞いたくらいだ。つまり、誰も、僕たちに興味はなかったのだ。

 ある日、カフェイン男は消息を絶った。連絡しても、家に行っても出なかった。どうしたのかさっぱりわからない。もう死んでしまったわけでない。メールをすれば、ウィッシュとわけのわからないメッセージが送られてくる。大好きな女の子から心配されることもなかったのだから、カフェイン男はたぶん相当に参っていたんだろう。一つ思い当たる理由は、カフェインを摂取できない時間帯があったことだろう。彼は、時間が欲しかったのではなく、自由でいたかったのだ。

 僕のカフェイン男の記憶はここまで。きっと、みんなカフェイン男がすごくきになると思う。僕が全く興味がないけれど、次回みんながもっとカフェイン男について知りたいなんて言うなら、もうすこしだけ、このどうしようもない自由人、カフェイン男についてでっち上げて喋りたいと思う。