アウトプット

相手の視点に立ってみよう

トリップ

 ギリシャは白銀の柱の頭上に紺碧の空を雲が走る幻惑の聖地だ。削ぎ落とされた贅肉は健康的な男女の肉体に還元され痩せたソクラテスの容姿さえも黄土色の土のくぼみが肌に調和されて静かに思惟し始める。

 ソクラテスは問答が大好きだ。贅肉を余分に携えてブルブル肢体を賜わせながら歩く姿がいい様もない嫌悪に満たされている。彼の弟子たちは、老いがソクラテスを賛美したと絶賛しただろう。老いこそ人生における最高の秋休みだ。

 ソクラテスは寡黙な男だ。そして、彼は疑問を自ら追求した。仲間はただ相槌を打つことで彼の思惟を巡り追体験を修行とした。おしゃべりな討論は彼の前では抹殺されるべき事態であった。