アウトプット

相手の視点に立ってみよう

意味

 意味とは欲望であり、横暴だ。暴力でしかない。無意味とは自由であり、喧騒を離れることに近い。喧騒を恋する人は、暴力を欲するだろう。また、創造性を失い他人の意見に同調する。集団的な暴力を容認する。

 集団に埋没する人間が議論によりその暴力性を言葉に還元した世界が今である。ネット上で繰り広げられた言説の数々を論理という言葉の暴力の形式に沿って戦わせ論破していた期間があったが、すでに2018年には論破という言葉は見当たらない。

 ネットで議論することもなく、議論の本質は自己愛の増長であり、自己愛の増長が他人を嫌悪させることに気がついたのだろうか。持論を持ち出しても、通説に寄り添ってみても結局は自分という存在を表に出せば、出る杭は打たられるということになるので、隠れていた方が身のためだという風潮が出来上がったのが2018年である。

 インターネットにより、透明化された情報は、ますます強固なセキュリティーによって保護されるようになり、沈黙が蔓延して人々は自己愛の増強に自ら杭を打つはめに陥ってしまうのだ。だから、テレビを見て何が今普通で何が普通でないのかの目録をチェックしているのだ。おしゃれであるとは、それまでは非常識であった服装が今や常識となっており、今の服が古びていると思わせることに成功したら、おしゃれなのだ。つまり、おしゃれとは、新鮮なのだ。常に。

 今の時代がダメだとも思わない。世界が悪い方向に向かっているとも思わない。ただ、どこか暗いのだ。それは私の心だけが暗いのか、それともそうでないのか、不明だ。